海水浴場の安全と自然
2007年 10月 13日
猛暑だった今年の夏、海水浴客から「足の裏が切れた」との事故?が多くあったそうです。
原因はタイラギ貝の仲間。
この貝は砂地に生息する2枚貝で、殻長は25cmにもなりますが食すとウマい。
砂地に垂直に突き刺さったように生息しており、2枚の貝が、まるで刃物のよう硬いため裸足のまま踏んづけると足を切ってしまいます。
そこで、海水浴場としては、海水浴に来てくれるお客に怪我があってはいかんということで、潜って引っこ抜く駆除作戦を展開したそうです。
少しでも駆除して安全を守ろうという海水浴場という立場からは理解できるし、また愛する人がいれば怪我はもちろんされたくない。・・・・が、何か疑問が残る。
海はプールではありますまい。
プールでは味わうことのない、生き物との出会いや自然の中だからこそ癒せるというか満喫できる気分というものが、「海」にはある。
プールのように安全で、それでいて生き物との出会いや自然を満喫し・・・というのは、人間様の欲深さがちらちら垣間見える気もしないではない。
自然の海に出かけるのだから、その準備をし、自然に対して感謝しつつ謙虚でありたい。
※写真手前のタイラギ(ハボウキガイ科)の仲間。
裸足のまま踏んづけるとそりゃ切れます。
奥の海草は、海のゆりかごと呼ばれるアマモ。アマモの移植活動などを通して大阪湾の自然再生活動の輪も広がりつつある。
この記事は 財団法人 大阪府青少年活動財団 ユースサービス大阪の機関紙(YSO.net2007.11月号)に掲載されました。
掲載タイトルは 夏が残した宿題 ~自然保護か安全か~